2009年1月11日日曜日

富の未来は、道頓堀にあり

久しぶりの読書報告。
なんとも分厚いトフラーの「富の未来」を読む。

工業中心の物質経済から知識経済へと移行した先に何があるのか、
IT、ナノテク、宇宙開発、クローン、石油に代わる新しいエネルギー、
科学の進歩はどこへ向かい、何を成し遂げるだろうか。
そのとき、世界の教育、貧困、食糧危機、環境破壊、格差、高齢化、戦争、
といった様々な課題に対して、人類はいかなる解を提出するだろうか。
何度も繰り返し(読むのが退屈に為るくらい)繰り返し語られるのは、
何らの解決策もないと言うことは有り得ず、過去の歴史を省みれば常に
そうであったように、現在は夢物語か狂気としてしか見られない数々の
可能性の中から、必ずや次の世代を作る知識なり技術が生じるに違いない、
というものである。
そしてそれら知識・技術が生じるであろう可能性は、過去に例を見ぬほど、
膨大な選択肢を提示しており、尚且つ、急激なスピードで進化している。
私たちは、未来を悲観しなくてよい。
ますます加速する変化に戸惑いながらも、可能性は常に現実のものとなっており、
同時に問題が生じる(経済発展の裏側で格差が広がるように)とはいえ、
それすらも解決へと導く可能性の連鎖の中におり、それこそ現在の世界が得意とする、
スピードと変化のもらたす意味である、と。

特に目新しいことが書いているわけでもないが、執念を感じる。
人類の未来への確信だ。
そして僕は次の一節に襲われたとき
富の源泉となる労働と資本の本質が根底から揺らいでいることに
まるで重い砂鉄の袋で殴られたような衝撃を受け、眩暈がした。
私たちは最早後戻りできないところまで来てしまったのだ。

トフラーは、有名なプロシューマー(生産消費者)論を、
家事やボランティア、DIYといったものだけでなく、
ネットを通じた直販、セルフサービス、オーダーメード
といった、消費者の知識をレバレッジしたビジネスによって、
富が、バランスシートに表れる企業自身の資本以上に
拡大することについて論じる。
それは巨大企業が勝つ、従来の資本主義を転覆する可能性がある。
その最も先進的な例としてトフラーは、次の例を熱っぽく語る。

あらゆる面で、世界各地の抜け目のない企業は労働を「外部化」する巧みな方法をつぎつぎに編み出している。この点で最優秀賞を贈るべきは、貪欲で巨大なアメリカ企業ではなく、お好み焼きチェーンの「道とん掘」かもしれない。・・・テーブルにある鉄板で客が料理までする仕組みにしているのだから。

確かに、僕は「道とん掘」で調理をしたし、別の店では生肉をしゃぶしゃぶしたことがある。
いつの日か、食材を注文し自分で料理をし、食べ終わったら食器を洗って、さらには次の客の食材を買い出しにいく未来がくるだろう。それこそが輝かしき未来への潮流なのである。
たぶん。

0 件のコメント: