わたしが唯一識別できるオリオン座が夜の空にあって、
モチベートする何ものかであろうと輝いている。
黒猫が車の下でじっとそれを見ている。
今日は一段と寒い。それでというのでもない。
「新感覚ってさあ、言うんだけどこれどう思うよ?」
駅前のコンビニで買ったスナックを頬張ってミカエルが尋ねる。
わたしはポケットの中で暖まっていた左手を仕方なくだして、
ざらざらと乾いたそれをもらって口に放り込む。
何だって深夜に。左手にはざらざらが残る。
「おいしいと思うけど?」
「そりゃあ、ああやって特集されている商品なら、
何だってうまいさ。外さないよ。でも新感覚っていう
言葉を軽々に使うのは、これくらいのことでそれは、
モラールが狂ってんだよ、絶対。悲しくなる。」
足音に気付いて黒猫はすっと身構える。
あるいは自分も新感覚を試してみたくって、
プリーズミーアテンションってことかも。
それには少し可愛げが足りないっていうか、
ちょっと距離も遠いし、せめて、その暗がりから出てきてごらんよ。
怖くなって翻って逃げても、わたしたちなら悪い気はしない。
ゆるやかにカーブして坂道を登った。
予備校の看板は煌々と輝いているが、
もちろんいまPETボトル片手に話す生徒たちはいない。
ミカエルはあいかわらず新感覚をもりもりと食べる。
ビニールのなかで新感覚が乾いた音を立てる。
わたしはさっきふと、何年かぶりの懐かしい友人に電話したのだった。
「いまメルボルンにおりまして早朝ですから、改めていただけますでしょうか。」
と眠たげに釈明された声を、繰り返し思い出す以外できなくなっていた。
2008年12月7日日曜日
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5 件のコメント:
黒猫は何を見てるの?
何だと思います?
(と質問で返す。笑)
国語のテストかい~。苦手なんだよね。
星の輝きに焦る青年を、なんの感情移入もせずに見ていると思います。
気が向いたらなんか食い物くれ、って考えながら目を光らしている。
空と地上の光に板ばさみになってる青年。
冬だねへ。
なるほど。
しかし、わたしは、青年ではなくて女性なのだ!
ほー
考えもしなかった。なんでだろ。
味わいが変わるね。
ほー
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