たくさんの言葉が、僕のなかから消えていったんじゃないかって
失ったあとにはもう何も残らない、
燃え尽きた炭の重なりを探っても、それが何であったかを
知ることはできないように、ね。
であったにせよ、いや、取り返しのつかないことが
たくさんあったことはわかっている。
それでも熱がもしもまだ冷めないでいるのなら、
燃え尽きたものに思いをはせるよりは、
風向きをみて、火を、火をまた燃やす方法を思案することの
ほうが、この寒さを凌ぐため、いや次の糧を得るための
優良な方法にはちがいないんだ。
もうすでに若いとはいえなくなってしまった。
それがいつのころからそうだったのか、
いまとなってはもうわからない。
だから、いまさらになって僕は、もう一度
言葉をつむぎたいと、それだけは忘れてないんだって、
交通事故のあとに少女が生ぬるい自分の血液を
柔ららかな指にからめながらうつろに消える意識の中で
唱えるように、ちょっとロマンティックに、夢想的に、
でもいつでもそうあったように。
僕はもう何も約束できない。
どうしてか、いつのころからそうだったのか、
いまとなってはもう、振り返ることはできない。
ずっとそうだったんだって、そう断言することだって
負け犬の背中に水を浴びせるようなことも
できないではないんだ。
あてのない、あてのない、戯れを抱こうか。

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