2009年1月24日土曜日

チープなストーリーの凡庸なわたしの幸福

寒いのいや~ん。

会社にいって山積する仕事たちをやっつけなきゃ
いけないんだけど、まだだらだらと家にいます。
今週は終電帰りが続いて、さすがに疲れた、
と独りごちる。寝させてくれい。

合間に、直木賞受賞作「まほろ駅前 多田便利軒」を読む。
LUCKY STRIKE のカバーが目に留まって手に取ったが、
煙草の整列は、チープさも感じさせる。
そんなカバーの雰囲気どおり、洒落た物語を手軽に楽しもう、
という出来栄えで、可もなく不可もなく。
親から愛情を受けられない小学生、孤独に入院生活を送る老人、
麻薬の取引をするヤクザ、人のよい売春婦、レズの夫婦、
産婦人科で入れ替わった乳児・・・
モチーフはどれも新鮮味がなく淡々と続く。
そんな凡庸な風景の中に起こる事件の数々は、
ヤクザとの抗争であったり、犯罪に巻き込まれる小学生であったり、
やはり凡庸を上塗りするぐらいの企図しか持ち得ないのである。

たいてい人生とはそのようなものだ。
しかし、凡庸な人生であっても、幸福でいることは難しい。
騙したり嫉んだり、憎んだり嘆いたり、
人を不幸にしようとする存在にあふれていて、
それを気にせず飄々と生きられる人は少ない。
物語の便利屋は、そんな凡庸な生活の中に刻まれる不幸の穴
を跳び越えるために少しの手伝いをする。
跳び越えたらまた凡庸に続く。
だからといって、幸福であってはならない、ということはない。

とにかく生きていれば、とポジティティブなメッセージに続く。

作者は、1976年生まれである。
作家の年齢が、少しずつ僕の年齢に近づいてくる。
近いうちに、同年あるいはそれより若い年代の作家が
第一線で活躍するようになるのだろう。
楽しみなようでもあって、煩わしいようでもある。

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