2010年1月17日日曜日

一里塚

これからの10年をどう生きるか、
僕にっていまそれが最大の関心事である。
もちろん先のことなどわからないというのが
絶対的にあるけれどもね。

ゼロ年代の想像力」は今後を考える上で非常に役立つ一冊であると思う。
大学受験に向けて和歌山で必死に勉強していた頃、
受験戦争に勝ち抜き上京して一旗あげようと夢見ていた頃、
黒煙をあげるWorld Trade Center の映像が突然テレビに映し出され
そうして僕のゼロ年代は始まった。
東京で見るあらゆるものを吸収し、反発し、嫌悪し、憧れ、誓い、諦め、
慎重にゆっくりと、でも何かに急き立てられるような焦りのなかで
僕はまるで早足で歩くみたいにゼロ年代を過ごした。

テレビドラマ批評という僕にとって馴染みのないアプローチであるが、
本書は、気付いたらゼロ年代の渦中にいた僕が無意識のうちに
感じていたこと、何とか言葉にしようとしてブログで書いていたことを
きれいに整理してくれている。

その上でこれからの歩み方を示唆してくれるのは
何もテレビドラマだけではない。
本書ではほとんど相手にされなかった金原ひとみや松尾スズキの作品に
それを見出すことができるし、本谷有希子、枡野浩一、岩井俊二だっている。
小説において同世代の作家となると寂しい気持ちは確かにあるけれど、
僕が寡聞であるだけで実は大勢の新しい想像力が
生み出されていることだろうと思う。
それに過去の作品からも僕たちは未来を学ぶことができるし、
何故か本書で全く言及されなかった海外の作品からも
僕たちは新しい想像力を培うことができる。

視野を広げて映画や絵画、学問といったところからも
栄養を摂ることができれば、さらに世界の奥行きは広がる。

こうでなければならないということはもはやない。
多様であっていい。
宇野の告白に共感する。
これからの十年はもっと自由になる。
僕たちはその責任を引き受けなければならないのだ。
僕はそのこと自体を悲観するつもりはない。
とにかく前進すること、そして幸せになることだ。

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